大通りで信号を待っていたら、右側から男性の声がした

「エクスキューズミー」

振り返ると、青い目のおじいさんがホテルの名前とスペルを言った

そこに行きたいらしい

ポケットからスマホを出して、地図アプリを開く

もう夕方だから、電池マークが赤くなっている

リュックから、モバイルバッテリーを出す余裕もなく、検索する

お、出た

ここから4分。近い

とりあえず、一緒に信号を渡る

「こっち」と手を向けて、そのまま歩く

どこまで案内すれば伝わるかな、と思いつつ、

近いし最後まで行ってしまおうと決める

以前、ベルギーで迷った時、

電車を調べてくれた男性を思い出す

英語が話せれば雑談をしたいところだけど、

もくもくと歩く

スーツケースを持っていないから、お散歩中に方向を見失ったのか

おじいさんのスマホから「ストレート」と女性の案内が聞こえる

正しい道に乗ったのかな

土地勘がないと、反対方向に歩いてしまうこともあるよね

ホテルの看板が見えた

外国人がぞろぞろ出てきて、わたしも一安心

海外のガイドブックで、人気の宿なのかも知れない

おじいさんと握手をして別れる

わたしは手が大きい

普段は避ける一本隣の急坂を、その日は軽い足取りで上がった